2024/shop
場所は大阪の玄関口である新大阪駅の南に位置する西中島エリア。東西に横断する4車線道路に面し大きなガラスの開口をもつ路面の区画です。ここに宝石買取会社の実店舗を計画しました。通常、買取店舗は外部から見られることを嫌う来客に配慮し、正面のガラスをスリシートなどで覆うのがセオリーです。其れゆえ、外部から店舗の雰囲気を確認するのが難しいという欠点が同時に生まれることになります。そこで、この問題を解決すべく、街に開いた新しい買取店舗の形を考えました。まずは、20坪の区画を外部に解放されたパブリックスペースと、商談を行うプライベートスペースの2つエリアに分けます。密度のある宝石という専門的なものを扱う店舗として、間仕切りは簡易なパーテーションでは心もとない、、。もっとしっかりと密度のあるボリュームが必要と考え、弧を描くリブ付木質パネル仕上げの2つの室を空間の真ん中に据えました。外部からはクリアなガラス越しにしっかりと店内を見通すことができ、来客は白を基調とした明るいエントランスを通り受付をします。木質ボリュームには、来客に応じてB to B の業者との商談を行う個室(左側のボリューム)と一般客の待合室(右側のボリューム)へとアプローチする2つの開口を設けています。木質ボリューム内に足を踏み入れると、そこは誰からも見られることのない、黒を基調とした落ち着きのあるプライベート空間が展開されます。木質ボリュームにより区画内を明暗の2つの空間に分けながらも、通り抜けできる動線を確保することで、回遊性があり緩やかに連続する一体空間を実現しました。自然に入り自然に出る、どこか街の一部であるような買取店舗の形を考えました。